「コロナとオリンピックに思うこと」山本義隆

おそらくコロナについて、
多くの人たちが様々なことを語っているのでしょうが、
テレビもないしインターネットにも繋がっていない生活で、
しかも公共図書館もすべて閉館している状態で、
私には購読している毎日新聞だけが外との情報源なわけで、
だれがどんなことを語っているのか、
ほとんど何も知りません。
常識的なことしか語れませんが、思う処を若干語らせてもらいたいと思います。

 

このコロナ禍は、ここまで広がってしまった以上、とくに治療法も確立していないしワクチンも開発されていない状態では、素人判断でも簡単には終息しないと思われます。
にもかかわらず、来年のオリンピック開催が既成事実のごとく語られているいびつさを感じざるをえません。
今回のオリンピック招致は、福島の汚染水がコントロールされているとか、
7月の日本は温暖でスポーツに適しているとか、
経費をかけずに小規模でコンパクトな大会にするとか、
それもバレバレの嘘にまみれた招致だったのですから。
国際オリンピック委員会も、嘘を承知で東京を選んだのです。

 

1920年代末の大恐慌、あるいはもっとひどい状態が来る恐れがあります。
大衆の側も強い権力を求め、また排外主義が広がって行きます。
ファシズムが生まれる土壌です。
ナチスもそうして生まれたのです。
かつてファシズムを経験した日本は、真摯な反省を行わなかったために、
ファシズムに対抗する力を養ってこなかった。
日本は「ナチスのやり方に学べばよい」などと平然と口にする人物が
長期にわたって財務大臣を務めている、外国の常識からすれば異常な国なのです。

人間の攻撃性

いま、コロナウィルスの感染が広がる中で、
行政が明確な休業指令を出さず、民間の「自粛」の委ねてしまったせいで、
「自粛に従わないものには市民が処罰を下してもよい」という口実で暴力行使の正当化をする人たちが出て来た。
「自粛」というあいまいな行政指導は市民たちの相互監視を督励する。
そして、それは単なる監視にとどまらず、「自粛しない市民を攻撃しても処罰されない」という心証をかたちづくった。
 彼らはちゃんと法律が機能し、常識が有効であり、「世間の目」が光っているときなら、
そんなことはしない人たちである。
でも、少しでもその規制が緩むと、自分の中の攻撃性を抑制することができなくなる。

 彼らは「自分が誰であるかを特定される気づかいがない時・自分の言動が処罰されない保証があると知れると、 過剰に暴力的になる人間」である。
そして、たぶん彼らは「あらゆる人間はそうだ」と思っている。 でも、それは違う。
世の中には、「自分が誰であるかを特定される気づかいがない時・処罰されるリスクがない時」でも、
「お天道様」が見ているという自制を失わず、常識的に、ジェントルに、節度をもってふるまう人がいるからである。
この人たちは「あらゆる人間が自分と同じだ」とはたぶん思っていない。 でも、自分はそういう人間であり続けようと思っている。

 この二種類の人たちはいずれも少数派である。
おそらくそれぞれ集団の10%内外だと思う(この辺の数字は私の経験知であるので、厳密ではない)。
残りの80%はこのどちらが優勢であるかによってふるまい方を変える。
「どんなことがあっても穏やかに、市民的にふるまう人」はいつも同じようにふるまう。 平時でも非常時でも変わらない。
一方、「処罰するリスクがないときに過剰に暴力的になる人」は「処罰のリスク」という可変的な条件に従って、ふるまい方をがらりと変える。
まったく違う人間に見えるほど変える。
人が変わったように変わる。
それが可視化されるかどうかは「処罰のリスク」というごく散文的な条件によるのである。

「外出自粛」は行政が明確な基準も、それに対するペナルティも示さなかったことによって、
この人たちのうちに「今なら人を攻撃しても処罰されない」という確信を醸成した。
 いま、あちこちで罵声が聞こえる。
スーパーの店員にどなりつけたり、
ATMの列でどなりつけたりしている人たちは、
全員が「自分は社会的な正義を執行している」と思ってそうしているのである。
今なら、どれほど暴力的になっても、それを正当化するロジックがあると思ってそうしているのである。
だから、止められない。 彼らを止める方法は一つしかない。
法律が機能し、常識が機能し、「世間の目」が機能するようにしておくことである。

ゲシュタポはきわめて効率的に反政府的な人々を逮捕していったが、
それは彼らの捜査能力が高かったからではない。
逮捕者のほとんどは隣人の密告によるものだったからである。
 市民を相互監視させることによって統治コストは劇的に削減される。
それは事実である。
けれども、その代償として、「大義名分をかかげて隣人を攻撃し、屈辱感を与える」ことに熱中する人々の群れを解き放ってしまう。
それがどれほど危険なことなのかについて、人々はあまりに警戒心がないと思う。

隣組と攻撃性」内田樹 より

あの森元首相の

いわゆるオリパラ組織委員会の事務所は虎ノ門ヒルズにあります。
なんと、その賃料は月額
4300万円に上るそうです。
年間で5億1600万円、2020年までに賃料だけで30億超のようです。
今年から、虎ノ門ヒルズのワンフロアを追加してますから、もっと多額に上がっているようです。
そうした出費を続けるのであれば、少なくとも、今後、不必要な出費を続けたということから、
関係者の刑事責任(背任罪)が追及されることにもなりかねません。

http://netgeek.biz/archives/125505 より

「東京高検検事長は他の官職につけない」

「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会 第1回議事要旨・資料」
    勤務延長(国公法第81条の3、人事院規則11-8第6条~第10条)
  1. 定年退職予定者が従事している職務に関し、職務の特殊性又は職務遂行上の特別の事情が認められる場合に、 定年退職の特例として定年退職日以降も一定期間、当該職務に引き続き従事させる制度
  2. 勤務延長を行うことができるのは例えば次のような場合 例 定年退職予定者がいわゆる名人芸的技能等を要する職務に従事しているため、その者の後継者が直ちに得られない場合 例 定年退職予定者が離島その他のへき地官署等に勤務しているため、その者の退職による欠員を容易に補充することができず、 業務の遂行に重大な支障が生ずる場合 例 定年退職予定者が大型研究プロジェクトチームの主要な構成員であるため、 その者の退職により当該研究の完成が著しく遅延するなどの重大な障害が生ずる場合
  3. 勤務延長の期限は1年以内。人事院の承認を得て1年以内で期限の延長可。(最長3年間)
      (注) 留意点
    • 勤務延長の要件が、その職員の「退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき」と限定されており、 活用できる場合が限定的
    • 「当該職務に従事させるため引き続いて勤務させる」制度であり、 勤務延長後、当該職員を原則として他の官職に異動させることができない
    • 最長でも3年間と期限が限定
公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会 第1回議事要旨・資料8 より

ニュース・ワーカー2 より

取材の意義はあったのか

(日曜に想う)大事を任せ、動かす信念と言葉 編集委員・曽我豪
人にものを頼み信じて任せることがいかに大切で難しいか。
新型コロナウイルスの感染拡大を巡り安倍晋三首相も痛感したはずだ。
緊急事態宣言の際も、都道府県知事との間で、何をいつどうやって任せるか、
齟齬(そご)や混乱は明らかだった。

会食の成果はこれかい。くるしいなあ。
冒頭は自身に跳ね返ってるよう

藤原辰史・京都大学准教授(農業史・環境史)
 宮殿で犬と遊ぶ「ルイ16世」の思考は
ずっと経済成長や教育勅語精神主義に重心を置いていたため、
危機の時代に使いものにならない。
IMFに日本の5.2%のマイナス成長の予測を突きつけられ、
先が見通せず右往左往している。
それとは逆に、ルイとその取り巻きが「役に立たない」と軽視し、
「経済成長に貢献せよ」と圧力をかけてきた人文学の言葉や想像力が、
人びとの思考の糧になっていることを最近強く感じる。

裏になにかある。

厚労省が業界団体に出した布マスク供給企業の募集文書には
『1枚当たり100~200円程度(納入場所までの輸送代込み)』
と調達予定価格が記載され、
価格、納期、数量、連絡先を明記した 見積書と
商品サンプルを厚労省に提出し、国からの発注書で購買契約が成立するとなっている。
これは公募して見積もりは取るものの、
競争のない随意契約で調達するということだ。
しかも通常は随意契約でも、できるだけ発注者(厚労省)に有利となるよう『価格交渉』が行われるが、
それもなく、200円程度ならば言い値でOKというスキーム(仕組み)なので、
各社は200円程度の見積もりを出すに決まっている。(=官製談合)

結局のところ、1枚いくら(単価)で契約したのかが全く不明なのも問題だ。
厚労省は単価を明らかにしない理由について
『今後の布マスクの調達や企業活動に影響(他の取引先との関係)を及ぼすおそれがある』
(福島氏への回答)としている。 これは、業務委託の発注などで発注価格を明らかにしない理由としてしばしば使われる『定型文言』だが、
費用を適正に反映した価格で国が購入しているならば、
単価を公表しても、今後の調達活動に悪影響はない。
単価が判明すれば、
その価格が基準となって談合を誘発するという理由で非公表とされることはあるが、
緊急だから随意契約にしているはずなのに、
競争入札を前提に談合の誘発を懸念するというのはナンセンスだ。

 

公共調達の監視業務に多く関わった経験からすれば、
発注官庁が価格の詳細を出したがらないのは、 官需と民需の価格の開きが大きい場合だ。
全国で極端に品薄になっている布マスクについて、
もし民間価格より著しく高い価格を設定した(=背任)というような事情で 非公表にしているのであれば、
それ自体が重大な問題だ。

 

 

以上 上智大法学部の楠茂樹教授

当初の予算は466億円
そして4社との契約と謳われていた。
その内3社は興和名古屋市)54億8千万円、伊藤忠商事(東京)約28億5千万円、、アパレル製造のマツオカコーポレーション(広島県福山市)約7億6千万円、合計約90億9千万円
経産省は、残る1社は(絶対)公表しない、と。

赤字青字部分は筆者

安倍が行ったことと私たちがやらなければならないこと。

Q-なぜ日本は失敗したのですか
内田 為政者が無能だったということに尽きます。それは総理会見を見れば一目瞭然です。
これだけ危機的状況にあるなかで、安倍首相は官僚の書いた作文を読み上げることしかできない。
自分の言葉で、現状を説明し、方針を語り、国民に協力を求めるということができない。
 ドイツのメルケル首相やイギリスのボリス・ジョンソン首相やニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事
まことに説得力のあるメッセージを発信しました。それには比すべくもない。
 安倍首相は国会質疑でも、記者会見でも、問いに誠実に回答するということをこれまでしないで来ました。
平気で嘘をつき、話をごまかし、平気で食言してきた。

一言をこれほど軽んじた政治家を私はこれまで見たことがありません。

*

国難的な状況では決して舵取りを委ねてはならない政治家に私たちは舵取りを委ねてしまった。
それがどれほど日本に大きなダメージを与えることになっても、それはこのような人物を7年間も政権の座にとどめておいたわれわれの責任です。
安倍政権においては、主観的願望が客観的情勢判断を代行する。
「そうであって欲しい」という祈願が自動的に「そうである」という事実として物質化する。
安倍首相個人においては、それは日常的な現実なんだと思います。
森友・加計・桜を見る会と、どの事案でも、首相が「そんなものはない」と宣告した公文書はいつのまにか消滅するし、
首相が「知らない」と誓言したことについては関係者全員が記憶を失う。
たぶんその全能感に慣れ切ってしまったのでしょう、「感染は拡大しない。すぐに終息する」と自分が言いさえすれば、
それがそのまま現実になると半ば信じてしまった。

*

 カミュは有名な小説『ペスト』のなかで、最終的に「ペストを他人に移さない紳士」の存在に希望を見出しています。
「紳士」にヒロイズムは要りません。
過剰に意気込んだり、使命感に緊張したりすると、気長に戦い続けることができませんから。
日常生活を穏やかに過ごしながらでなければ、持続した戦いを続けることはできない。
「コロナ以後」の日本で民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが「大人」に、
でき得るならば「紳士」にならなけらばならない。私はそう思います。

http://blog.tatsuru.com/2020/04/22_1114.html より

Reuter Report

The prime minister’s support has been hurt by what critics say is a timid and sluggish response to the outbreak, and by widespread criticism that he has appeared tone deaf to the severity of the crisis in his own social media posts.

Abe’s wife, Akie, became a trending topic on Japanese Twitter on Thursday, with her name gaining more than 17,000 retweets by mid-morning after a weekly magazine said she had visited a shrine (*usa-jingu shrine) in southwest Japan on March 15.


“If she got infected this way, would she get special treatment with high-class medical care?” said another user, although some people also defended her as a private citizen.

*usa-jingu shrine Famous shrine in ohita pre and very famous come from [Monster Dokyo]

かって日本にも知性があった

憲法に緊急事態条項がない理由を、(日本国憲法制定時の)憲法担当だった金森徳次郎国務大臣が、制定時の国会で述べています。
「民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するためには、政府が一存で行い得る措置は極力防止しなければならない。
言葉を非常ということに借りて、それを口実に(権利や自由が)破壊されるおそれが絶無とは断言しがたい」

「こうした過去の反省を踏まえ、
日本国憲法が用意した緊急事態条項が、
参議院の緊急集会の制度を定める54条2項ただし書きです。
戦前の緊急勅令の制度を独自に換骨奪胎しました。
緊急集会でとられた措置は臨時のもので、
衆議院の同意を得られないと効力を失い、
事後的に必ずチェックを受ける仕組みになっています」
石川健治

不断の努力