本日の紙面より「ポピュリスト」

では、ポピュリズムは、かってのファシズムのようなものでしょうか。

ヤン=ヴェルナー・ミュラー

ファシズムは暴力や差別と切り離せない存在で、暴力的な闘争こそが素晴らしい人生だと考えていました。ファシズム国家が例外なく戦争に行きついたのは、決して偶然からではない。

 一方ポピュリストをファシズムになぞらえても、ポピュリストは『誰も暴力を振ってないじゃないか』と反論し、かえって彼らを助けることになります。

ファシストはすべてポピュリストですが、ポピュリストがすべてファシストとは限りません。

両者に共通するのはむしろ、自らだけが民衆の代表だと主張することでしょう」

ポピュリズムが民主主義にとって脅威なのは、多様性を認めない「反多元主義」の性格をもつからだ。