官僚文章を元官僚トップが読み解く

桜を見る会の招待者名簿はすでに廃棄されていることを確認したものと承知している」とアベ首相答弁。万一名簿が流出した場合に言い逃れができるよう二重三重に保険をかけた表現だ。「確認が不十分だった」「報告が間違っていた」「僕は嘘ついてない」「官僚の責任だ」と言えるようになっている。

なるほどこの一文には三重の防御が張られているんだ。

桜を見る会の招待者名簿はすでに廃棄されている」

ならこの文の主語としての人間が、廃棄した(あるいは(誰かが)廃棄したと断定)となる。

桜を見る会の招待者名簿はすでに廃棄されていることを確認した」

こちらは、この文の主語としての人間が「廃棄されていたということを確認した」となる。

桜を見る会の招待者名簿はすでに廃棄されていることを確認したものと承知している」

この場合は、招待者名簿は廃棄されていたということを、だれか(あ)が確認し、その

事実の報告を受けた、となる。

最後の文章には、「確認が不十分だった」「報告が間違っていた」「僕は嘘ついてない、官僚の責任だ」と三重の防御が張られている。