ロシア政府系サイトにプーチン氏批判の記事

(CNN)2022-5-10 19:41発信

ロシア政府系のニュースサイト「Lenta.ru」に9日、所属するジャーナリスト2人の名前で、
プーチン大統領ウクライナ侵攻や反対派への締め付けを批判する記事が少なくとも30本掲載され、直後に削除された。
CNNが確認した記事は、同サイトのビジネス編集者、エゴル・ポリャコフ氏とアレクサンドラ・ミロシュニコワ氏が9日の対独戦勝記念日を取り上げたり、
その機会をウクライナ侵攻の正当化に利用するプーチン氏を批判したりする内容だった。
両氏は「プーチン氏とその取り巻きは戦後、法廷で裁かれる運命だ。自分たちを正当化したり、敗戦後に逃げたりすることはできないだろう」と書いていた。
ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」の沈没をめぐり、ロシア軍が生還した兵士の人数を実際より多く見せるため、
古い画像を使って遺族らにうそをついたと主張する記事もあった。
同サイトの親会社は最近、米政府の制裁対象になっているロシアの銀行最大手、スベルバンクに買収されたばかり。
CNNは両氏とサイトにコメントを求めたが、返答は得られていない。
ロシアの独立系ニュースサイト「Mediazone」は、両氏が記事掲載後に出したとされる声明を伝えた。
プーチン氏を「偏執症の独裁者」と呼び、「かれは去らねばならない。無意味な戦争を始め、ロシアをどぶに突き落とすつもりだ」などと非難している。
両氏はまた、プーチン氏がウクライナ侵攻の目的を当初から偽り、その後さらにまったく別の大義名分をひねり出してきたと指摘した。
それぞれの記事は見出しの下に「国の承認を得ていないため、大統領府に削除されるだろう」との注意書きがあり、その前に表示画面の画像を保存するよう求めていた。
両氏は職を捨てる覚悟とみられ、
「私たちは仕事と弁護士、そして恐らく政治亡命を求めている」とも訴えた。
読者らに向けて「恐れるな、沈黙するな」「抵抗せよ。あなたは1人ではない」「ウクライナに平和を」と呼び掛けた。

 

法に涙はない

谷口太規(CALL4)弁護士の呟き

 

先日、在留資格のないままに二十数年を日本で暮らしたアフリカ某国の男性と一緒に入管に出頭した。
帰国するためだ。
彼は滞在中、在留資格がないことを除いては、法を遵守し、キツくて多くの人が短期間で辞める肉体労働の仕事を二十年続け、
職場では彼がいなければ回らないまでの存在になっていた(1/6


新幹線の重要なパーツを作る仕事もしていた。
日本の誇る交通インフラを彼のような人も支えていた。
これだけ日本への定着性があれば、在留特別許可を得られる可能性もある、そうアドバイスをしたが、結局彼は帰国を決めた。
在特の判断に長期間を要しその間生きるすべがないというのもあったが(2/6


最終的には、日本への諦めのようなものが大きかったように思う。
彼が最初、労災の相談で来た。職場で積荷が崩れる事故があり、首を痛め、また肋骨も数本折っていた。
私はオーバーステイでも労災は認められるが、逸失利益の補償は日本人の場合より遥かに少ないと伝えた。H9.1.28の最高裁判断ゆえだ(3/6


最高裁は3年経過後は通貨価値の低い出身国基準で補償すれば良いと述べたのだ。
彼はそれを聞いて「日本人の身体と自分たちので価値が違うということか」と首を振ってから、少し笑うような虚空を見るような表情をした。
離れることを決めた時、彼は「日本はもういいや」とそれ以上は何も言わなかった(4/6

平成9年1月28日損害賠償請求上告、同附帯上告 抄一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の事故による逸失利益を算定するに当たっては、予測される我が国での就労可能期間内は我が国での収入等を基礎とし、その後は想定される出国先での収入等を基礎とするのが合理的であり、我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の内容、在留期間、在留期間更新の実績及び蓋然性、就労資格の有無、就労の態様等の事実的に及び規範的な諸要素を考慮して、これを認定するのが相当である。

発言し続ける 山本義隆

原子力発電所の本質原子力発電所は、核分裂で発生したエネルギーの約3分の1を電力に変えるだけで、 残りの約3分の2は、海へ棄ててしまっている。
100万キロワットの発電所は、その2倍の200万キロワットに相当する熱を海に棄て、 海水の温度を上げてしまっている。
これは、直接に漁業を脅かすだけでなく、地球全体の熱汚染という立場からも無視できない問題になってきている。
(「原子力発電所 ―― この巨大なる潜在的危険性」1975, p.182; 「17の質問にこたえる 原子力発電はどうしてダメなのか」1978, p.46, 「原発はいらない」1979、p.68、参照)
 そもそも原発は、熱効率、つまり加えた熱のどれだけが電気に変わるのかの割合が 他の火力発電にくらべて悪いことが知られています。
これは、熱力学の理論により基本的には作動温度で決まるのですが、 通常の火力発電では40%を超えているのにたいして、原子力発電では30% 程度。 つまり1単位の電力を生むためには、通常の火力発電でせいぜい2単位余りの熱が必要なのにたいして、 原発では3単位を越える熱が必要とされます。
したがって原発ではその差2単位強の熱、つまり発電量の2倍以上の熱を環境に棄てているのです。

 世界中に多くの原子炉が建設されるようになった現在、核戦争の危険は、小国にたいする局地的な戦いの中で、原子炉を巻き込んだ形で成されるという可能性があることを、今回のロシア軍のウクライナ侵攻が明らかにしました。
そのことは、反原発運動のより一層の広がりの必要性と緊急性を示しています。そういう内容を込めて、ロシアのウクライナ侵攻に対する反戦運動は語られなければならないと思われます。

戦場からの逃避行

Stand With Ukrine! 戦場からの逃避行

Еріка-StandWithUkraineさんのツイッター

2022/2/7 7:24
昨年、子供たちと見たり、触れたり、食べたりしたもの
これが私が見た2021年のウクライナです f:id:greengreengrass:20220307091714p:plain
#Ukraine
#ウクライナ 
#StandWithUkraine

f:id:greengreengrass:20220307084428p:plain

2022/3/3無事に朝6時を迎えました。
中心部で防衛省を狙ったミサイルが駅周辺に落ちたそうですが駅に被害はないようです。

3/3 13:11次女が夜中に吐いてしまいました。
こんな環境で体調を崩すのはうちの子だけじゃないはず...
今年の #ひな祭り の願いは「早く f:id:greengreengrass:20220307091714p:plain の子供達に平穏な日常が戻りますように」 #StopPutinN️ow

3/3 14:52ありがとうございます。長女、大喜びで「プリキュアがお雛様だ❗️」と笑っています❣️

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2022 3/4 5:26私と子供たち3人はKyivから他の都市へ向かう電車の中です。
犬は環境の変化が苦手な子なので、Kyivに残る夫と義母に託しました。
家に攻撃が当たらないことを祈るばかり。コロナ後ずっとダウンしていた義母もようやく回復。
何度も悩んで相談して出した結論です。

2022 3/7 4:19 国境越え1子供たちは疲れが溜まったのか18時就寝...😵‍💫
長文だけど忘れないうちに記録
まず最初に、 一人で子供たちと逃げる自信がない私に一緒に行こうと声をかけてくださるご家族がいて、道中いろいろ助けていただきながら国境までご一緒させていただきました。
感謝しても感謝しきれません。

2022 3/7 4:19 国境越え2次に今後退避を予定されている方には
「身一つで逃げても、国境のウクライナ側の街にさえつけば何とかなる」
ことをお伝えしておきたいです。
Kyiv中央駅に向かう途中、いろんなところで無料でパンやお茶が配られているのを目にしました。

2022 3/7 4:19 国境越え3予約していた寝台電車が急遽キャンセルとなってしまいましたが、駅で一晩過ごすより前に進むことに決め、ノープランのまま他の行き先電車に飛び乗りました。 今、Kyiv発の電車は避難用に使われており、
【チケットの有無に関わらず希望者は乗ることができます❗️犬も猫も乗れます❗️(←重要)】

2022 3/7 4:19 国境越え4寝台列車だったので子供たちは横になって寝ることが出来ましたが子供たちが入れ替わり何度も泣き大変でした。
それでも車掌さんが何度も様子見に来てくださり「これ飲ませてあげて」と大きな水のペットボトル(但し炭酸水でちょっと笑いました)をくれたり、おむつやクッキーをくださいました

2022 3/7 4:19 国境越え5夜中に疲れ切っていた時にも「お母さんも大変でしょ」と温かい紅茶とパンをくださり嬉しかったです 。
翌朝、気づいたら小さなお友達が一人増えてる❗️
お母さんが疲れ切った顔で「夜中ずっと泣いていた」と... うちの子たちと楽しく遊ぶ姿を見てホッとされたようで何度もお礼を仰っていました

2022 3/7 4:19 国境越え6次女と同じ2歳のお子さんと2人だけで避難されているとのこと。
同志としていろいろお話しをさせていただき、電車を降りる時は荷物を運ぶのを手伝ってくださいました。 出会いに感謝です。

2022 3/7 4:19 国境越え7夫の友人のお母さんが泊まっていいと仰ってくださったので、宿泊先の確保の為に終点手前のちょっと大きめの駅で降りました。
駅構内を見てびっくり❗️
ボランティアの方が軽食を配っていて、スロバキア国境行きのシャトルバスまでありました。
ここでもみなさんに親切にしていただきました

2022 3/7 4:19 国境越え8国境手前の行列。
混乱を避けるために区画ごとに人数制限がありましたが、区画ごとにボランティアさんが子供たちにお菓子をくださり、子供たちは急に元気に❗️
次女抱きながら荷物を運ぶ私を見て、ボランティアの方が荷物を運ぶのを手伝ってくださいました。

2022 3/7 4:19 国境越え9国境まで付き添ってくださったボランティアさんはKyivの工科大学をご卒業で、数年前まで我が家の近くにお住まいだったそうです。
街の様子をお伝えしたところ、しばらく言葉なくお辛そうな顔をしていました。
そして一言「Yes, we have to be brave.」

2022 3/7 4:19 国境越え10自分自身に言い聞かせるように仰っていたのが印象に残っています。
青春を過ごされた土地でまだご友人もKyivにいらっしゃるだろうし、心中察するに余りあります。
国境を渡る瞬間の写真を撮ろうと思っていましたが必死すぎて気づいたら国境超えていました。

2022 3/7 4:19 国境越え11国境越えた先はEU全土からのボランティアさんで溢れていました。
無料でSIMカードを配ってくださり本当にありがたかったです。
他にも炊き出し、ベビーフード、オムツ、衛生用品が山積みになっていました。
他にも衣類やベビーカー、チャイルドシートまで用意されていました。

2022 3/7 4:19 国境越え12「何かお困りのことはありますか?」と声をかけてくださったスロバキアの兵士さんに 「どこか泊まるところはありませんか」と聞いたら難民キャンプに案内いただきました。中は暖かく生き返りました。

2022 3/7 4:19 国境越え13 f:id:greengreengrass:20220307090906j:plain に帰りたい旨をお伝えすると飛行機を調べてくださり
プラハに行くのが良い、ちょっと待ってて」
とバスの時間を調べてくださいました。
「出発30分前に荷物運ぶの手伝いにくるね!」と仰っていたのですが、暫くしてお戻りになり「バスは満席になったからボランティアの送迎を確保したよ!」

2022 3/7 4:19 国境越え14この送迎ボランティアさんとの素敵なご縁についてはまた後日😌
多くの方がずっと励まし続けてくださり、人の温かさに感謝するばかりの国外脱出でした。
何より、車掌さん(ロシア語)以外はずっと私の片言ウクライナ語と英語だけで会話が成り立つことにも驚きです。

2022 3/7 4:19 国境越え15この移動の間、ウクライナ政府、スロバキア政府、各国のボランティアさんの他、 在ウクライナ日本大使館、在ルーマニア日本大使館(元々予定していた行き先)、在スロバキア日本大使館、在チェコ日本大使館の領事部の皆様に多くのお力添えをいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。

「Yes, we have to be brave.」

両論併記=へっぴり腰

両論併記

本日の朝日新聞一面トップの見出しは以下

停戦協議、始まる
主張に隔たり、見通し不明 ロシア・ウクライナ代表団

一方社説では

「政府にいま求められるのは、プーチン氏の暴挙にはっきりと異を唱えて国際的な圧力を強めるとともに、核軍縮や不拡散の取り組みが減速しないよう世界に働きかけることだ。」

プーチンの暴挙を真向に批判している。新聞社の姿勢とすればロシアに非があるということだ。

ならばなぜこのような中立的見出しになるのか。

見出しはせめてこうだろう。

ウクライナ停戦協議、始まる
ウクライナ無条件でと主張、ロシア拒否 見通し不明

政治学遠藤乾先生の主張

同じ日の紙面に北大遠藤乾教授の主張が掲載されている。

2022年2月24日。プーチンの戦争が始まった。これほどの赤裸々な侵略は、ヨーロッパでは3世代前、ヒトラーポーランドに侵攻したときにまでさかのぼらないと見いだせない。誰よりもプーチン本人に責めが帰されるべき戦争ではある

プーチンは、その主観に反して、ロシアの利益も害している。ウクライナを軍事的に無力化できたとして、親ロ政権はおろか中立を維持できるか不透明だ。
占領や介入には膨大なコストがかかる。
ウクライナはもちろん周辺諸国でも、後戻りできないほど反ロ感情が高ぶる。
制裁によるロシア経済へのダメージも徐々に効いてこよう。
ウクライナが天使のようなわけではない。しかし、それがジェノサイドと大量破壊兵器の開発に手を染めるナチスのようで、人道的介入と非軍事化が必要だとするプーチンの語りは、とうてい客観的検証に堪えられない。

ウクライナ北大西洋条約機構NATO)加盟阻止という「大義」も、根拠が薄弱だ。加盟国の多くはウクライナ防衛の義務を負うことに後ろ向きで、当面加盟は実現しない。
存在しない見込みを理由に他国に軍隊を入れるのは、理にかなわない。
そもそものNATOの東方拡大は、クリントン大統領の再選に向けてシカゴ近辺の東欧系移民の票を目当てに打ち出された面もあり、高貴なものだったわけではないが、今回のような狼藉を働く相手には正しい選択だったと多くに確信させるものとなった。

 さらにいびつなのは、プーチンウクライナ観、全体主義的な傾きである。かの国がロシアと一体だという歴史認識は、巷の素人談義ならまだしも、権力者が振りかざすと有害極まりない。

ウクライナにある言語や歴史、独自の国民性を無視し、ロシアの一部としてしか生きられない混成物だという身勝手な見解を銃剣で押しつけるとき、それは他者の存在を丸ごと否定する全体主義に近づく。

2大戦の間に青年期を生きたリベラリストの仏思想家レイモン・アロンは、興隆するナチス・ドイツへの対抗の必要を留学先のドイツで感じとり、平和主義から脱皮するが、その際、力の行使が不可避であるならば、何のために行使するのか目的を問うことを重視した。

力へのシニカルな信奉がはびこるナチスと異なり、多様な解釈や生き方を許す自由な社会においては、それを守るために力が行使されるという目的限定性が大切なのである。自由や民主は、人びとが時に間違えるという可謬(かびゅう)性を前提にしている。だから、多様な意見が尊重され、政権が交代できるようにするのだ。独裁は、間違いをみずから是正しえない。自由・民主を重んずる体制は、独裁のそれと近似してはならない。

どこかで主張されていたが新聞社自体が紙面で論を主張せず、識者を通して論を主張させる、批判を怖れる姑息な手法だ。

しかし遠藤先生のこの記事は一読者の離反を防いだのかもしれない。

 

「イヴァンよお前にやる花はない」プラハの花屋

REMEMBER3.11

ヒットラー似の男

国が事前に危険な奴を隔離できないなら、
親が責任を持って危険な我が子を社会から隔離すればいいんだ。
他人様の子どもの命を奪うほどの危険性がある奴に対しては、
そいつの親が責任を持って、事前に世の中から抹殺せよ!

苦渋の決断で我が子を殺した親に対しては、世の中は拍手を送ってもいいだろ。国に代わって、世の中に代わって、異常・危険分子を排除したんだからね

 

橋下徹著「まっとう勝負!」(2006年、小学館)から引用

(こちらも参考に)相手方に利益を与えるということはこちらの譲歩を示すということだ。
譲歩とそれに伴う苦労は、徹底的に強調し、演出すべきだ。
譲歩とはよべない些細なことであっても、さも大きな譲歩であるように仕立て上げるのである。
そうすることで、相手方の得る利益が大きいものであると錯覚させることができるからだ。これも交渉の技術である。

『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』橋下徹日本文芸社

グローバル化、産業革命、情報革命のもたらしたもの

先進国は、グローバル化発展途上国に新たな市場を求め、新たな金融商品や金融取引に利潤機会を求め、ITという新技術にフロンティアを求めた。
そして、その結果はどうなったのか。
それらは、ほとんど先進国に富も利益ももたらさなくなりつつある。
グローバル化は中国を急成長させたが、米欧日などの先進国は、成長率の鈍化、格差の拡大、中間層の没落などに悩まされる。
モノの生産から金融経済への移行は、金融市場の不安定化と資産の格差を生み出した。
情報革命は一握りの情報関連企業に巨額の利益を集中させた。いわゆるGAFA問題である。
明らかに新たなフロンティアは限界に達しつつある。イノベーションが経済成長を実現するなどと気楽に構えるわけにはいかない。
今日のイノベーションは確かに一企業の生産効率を高め、労働コストを低下させることは事実であろう。
しかしそれが意味するのは、勤労者の所得の低下である。少なくとも総所得が上昇するとは考えにくい。
ということは、総消費は増加せず、GDP(国内総生産)の増加はさして見込めないであろう。

 かくて、AIやロボットや自動運転装置等のイノベーションは目覚ましく、確かにわれわれの生活を変えるであろうが、
だからといってそれが経済成長につながるという保証はどこにもない。
新技術が大衆の欲望フロンティアを開拓して大量生産・大量消費の好循環を生み出した高度成長の60年代とはまったく異なっている。
とすれば、空間、技術、欲望のフロンティアを拡張して成長を生み出してきた「資本主義」は臨界点に近づいているといわざるをえない。
「分配」と「成長」を実現する「新しい資本主義」も実現困難といわざるをえないだろう。

問題はどこにあるのだろうか。
「資本主義」が間違っているのだろうか。岸田首相の政策論が誤っているのだろうか。
そうではない。問題は、昨日よりも今日の方が豊かであり、明日はさらに豊かでなければならない、というわれわれ自身の意識にこそあるのではないか。
政策を難じるより前に、科学や市場や政治の力によって、より多くの富を、より多くの自由を、より長い寿命を、より多くの快楽を求めるという近代人の欲望の方こそ問題の本質ではなかろうか。
 近代社会とは、人間が、己の活動や欲望について無限の拡張を求める社会であった。
科学や技術によって自然を支配し、それを自らの自由や欲望の拡張に向けて改変する時代であった。
そこに無限の進歩があるとみなした。
資本主義は、近代人のこの進歩への渇望に実にうまく適合したのである。
そして今日われわれは、人間の外部に横たわる自然を改変するだけではこと足りず、AIや遺伝子工学生命科学脳科学等によって、われわれ自身を改変しようとしている。
これらの新しいテクノロジーによって一層の自由や富や寿命を手に入れようとしている。
本来的に有限で、いわば「死すべきもの」である人間が、無限で「永遠なるもの」へと接近しようとしているようにも見える。
人間が人間という「分限」を超え出ようとしている。
近代の欲望は、まだ「有限性」の中にあって少しずつフロンティアを拡張するものであった。
だが最近の技術は、それさえも超え出てしまったのではなかろうか。

 皮肉なことに、人間の「有限性」を突破しかねない今日の技術のフロンティアにあって、先進国は経済成長の限界に突き当たっている。
われわれはようやく「資本の無限の拡張」に疑いの目をむけつつある。
とすれば、われわれに突き付けられた問題は、資本主義の限界というより、富と自由の無限の拡張を求め続けた近代人の果てしない欲望の方にあるのだろう。

佐伯啓思京都大学名誉教授

(久し振りに同感)

相澤冬樹 徒然草より

赤木俊夫さんを死に追い込んだ理由について、何度となく繰り返された“誤解の波”が最近またも広がっている。
今月(2021年11月)人事院から俊夫さんの公務災害認定をめぐる文書が開示されたのがきっかけだ。
そこに「改ざん」の文字がなく、国会やマスコミ対応が過重だったとされているから、責任を野党やマスコミにすり替える論調がSNS上などに見られる。
産経新聞は11月20日付の一面コラム産経抄で次のように書いた。

産経新聞11月20日産経抄

 『あの狂熱的な批判と追及の嵐はどこへ去ったのか。
森友学園に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)をめぐり、新たな文書が開示されるたびに、マスコミや野党が、「主犯」扱いをしていた安倍晋三元首相への言及が消えていく注)

 
だが、そうだろうか?
それなのに人事院の文書にはなぜ書かれていないのか? 人事院財務省の文書を元にしている。
財務省は、雅子さんが公務災害を申し立てた際の文書を使っている。
申し立ては俊夫さんが亡くなった翌月で、すべては当時の代理人の弁護士(今は違う)が請け負っていた。
近畿財務局に勤めていた経歴があり財務局の紹介で代理人になった。
この弁護士は、財務局が作った下書きに合わせて申立書を書いたと認めている。
役所のお手盛りで話を進めたから役所に不都合なことは書かれていない。
つまり、改ざんを苦にして亡くなったとは一言も書かれていない。

申し立ての時点で雅子さんが俊夫さんの遺書を見せていたのはこの弁護士だけだ。
弁護士は改ざんを告発する遺書を知りながら財務局の筋書き通りに申立書を作った。
「一刻も早く公務災害を認定してもらうため」と理由を語っていたが、それだけだろうか? 
雅子さんはこの弁護士に不信感を抱き、弁護士をかえて今の弁護団を選び、国と佐川氏を相手に裁判を起こした。

注)産経抄は現在皿木喜久論説委員長ら3人の論説委員が交代で執筆 全く匿名という産経新聞社の方針は言論人としての品格を疑う