言い訳

《「君は卑怯(ひきょう)だ。
私が郷土の人々や国民を背負うように、君にも読者や市民がいるはずだ。
権力批判は本望だが、ならば正面から斬り込んでこい。
後ろから闇討ちするようなまねだけはよしてくれ」
 恥ずかしくて、どうやってその場を辞したかも覚えていない。
こう誓った。
 もう、「食い込む」なんて浅はかな考えは捨てよう。
思い込みでなで斬りしない代わりに、たたく分だけ必ず直談判を尽くし、
批判もごまかさず事前に告知しよう。
それで人脈が途切れると恐れる方がよほど思い上がった考えだった、と。》

悩んだ事は認めよう。
しかし、その後の矜持だ