匿名の発言者にも胸にズンとくるこの言葉
「言論の自由」とはまさに「他者に承認される機会を求めること」に他ならない。
「言論の自由」は、自分の発する言葉の正否真偽について、その価値と意味について、
それが記憶されるべきものか忘却に任されるべきものかどうか吟味し査定するのは私ではなく、
他者たちであるという約定に同意署名する人間だけに請求権がある。
自分が発する言葉は、他者に聴き取られなくても、同意されなくても、信認されなくても、
その意味と価値をいささかも減じないと言い張る人間には「言論の自由」を請求する権利がない。
なぜなら、彼の言葉は他者たちの場に差し出されるに先立って、すでに真理であることが確定しているからである。
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