不正義なところに恩義を感じやすい法曹黒川氏、それじゃいかんやろ

証拠はありませんが、
黒川さんが法務省の官房長、法務次官だった5年間、
自民党が絡む疑獄事件はいくつも浮上しましたが、
結局、何一つ立件されませんでした。
法務省の官房長や法務次官は、
検察が政治家が絡む事件に着手するかとうかや政治家の逮捕に踏み切るかどうかを決定する際に開かれる
検察首脳会議に政府側(官邸側)の意向を伝える役割を担って出席します。

 

その会議には検事総長次長検事、担当管区の検事長、検事正、特捜部長なども出席しますが、
検察首脳会議では全会一致が意思決定の前提となっているので、
誰か一人が反対すれば逮捕は見送られると考えられています。

 

今、安倍政権になってから初めての政治絡みの事件として、
河井夫妻の公選法違反事件の捜査が広島で繰り広げられていますが、
これは昨年黒川さんが法務次官から東京高検の検事長に栄転したために、
広島の事件への着手や政治家逮捕の是非を審議する検察首脳会議に出席する資格を失ったからこそ
事件化が可能になったものと考えられています。

 

東京高検の検事長は法務次官よりも位は上ですが、
高検の検事長は自分が管轄する管区内の事件以外では検察首脳会議には呼ばれないため、
東京高検検事長の黒川さんは広島の事件に口出しはできなかったと考えられているからです。

 

しかし、黒川さんを検事総長に据えるためにはどうしても東京高検検事長クラスのポストを通過する必要があるため、
河井事件はこれまで黒川さんにことごとく政治がらみの事件を潰され煮湯を飲まされてきた検察が、
人事の間髪を突いて満を侍して仕掛けてきた
乾坤一擲の事件だったと考えられています。

 

いうまでもありませんが、
黒川さんが検事総長になれば当然全ての検察首脳会議に出席しますし、
検事総長の意に反して検察が重大事件に着手することはありえないので、
もし彼がこの先も政権の守護神役を果たすつもりでいるのであれば
(こうまでして検事総長にしてもらったら、当然そうすると思いますが)、

 

日本の政治腐敗は際限のないものになる恐れがあります。
しかも、ブログにも書いたように、もしこの法案が可決すれば、
黒川さんは政権を満足させ続ければ2025年までその地位にとどまることができるので、
その影響は計り知れないと思います。神保

https://www.jimbo.tv/commentary/492/ より