問われる吠えない番犬としての報道姿勢

衆参代表質問は30日、3日間の日程を終えた。
新型コロナウイルス対策や日本学術会議問題が主な論点となったが、首相は正面から答えず、安全運転に終始。
焦点の学術会議問題も同様だ。
野党は会員候補6人の任命を拒否したことについて、過去の政府答弁との整合性を繰り返しただした。
首相は公務員の選定と罷免を「国民固有の権利」と規定した憲法15条を何度も持ち出し、「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないという点は、政府として一貫した考え方だ」とかわし続けた。
時事通信記事

「安全運転に徹した」→「かみあった答弁を拒否した」
「鉄壁」→「問答無用の門前払い」
「かわした」→「逃げた」
たとえばこう言い換えてみると、印象は随分と異なる。
法政大学 上西充子教授

知性に抵抗した凡人

世界についての知識を獲得するために、
人は複雑な経験を単純な感覚的経験に還元する。
ここで単純な経験というのは、原則として、
いつどこでも誰にでも、くり返され得るような経験である。
そういう経験の系列が、
科学者のいわゆる「観察資料」の基礎であり、
そこから出発し、長い推論の過程をとおって到達する結論が、
知識である。

加藤周一「ある哲学者の死によせて」より

政界についての知識を獲得するために、
菅は単純な経験を複雑な感覚に還元しようとする。
単純な経験というのは、
出自として、秋田の雪深い貧農に生まれたという聞き飽きた逸話である。
そういう逸話の系列が、愚者のいわゆる演説材料の基礎であり、
そこから出発し、貧弱な頭脳の過程をとおって到達する結論が、
利権である。

一人でもいい・・、が日本にはその一人がいない。

ホワイトハウスでさる8月、
1人の記者がかねて温めていた質問を
トランプ大統領にぶつけた。
 「大統領。3年半、
国民にウソをつき続けたことを悔いていませんか」。
一瞬の間があき、トランプ氏は別の記者を指名した。
質問は無視された。

 

恥はかき捨て

この度文芸春秋から再度発売された菅首相著書「政治家の覚悟」(改訂版)では(東北大震災当時、菅カン民主党内閣が)「公文書の作成を怠ったことは国民への配信行為」 と記載していた部分を、削除して発売された

番組「Nスタ」 が報じるところでは、
出版社(文芸春秋担当)は「本の総ページ数など全体のバランスを考えたうえで、編集部の判断で割愛することにしました」

ということのようです。

しかしここのくだりは彼が官房長官在任時の、記者会見で記者から読み上げられ、「誰の著作家ご存知ですか?」と聞かれた。

彼はなんとはっきり「知りません」と答えた。

これがSNSで自身の著作も覚えていないのかと大いに人気?となり、菅(スガ)は赤面した。

もちろん総理大臣の著作を無断で「改ざん」できる度量は出版社にはないので、 

SNSが恥ずかしくて、総理就任記念として出版社から再販されるとき、出版担当者と相談し「削除して」と依頼したのだろうね。

ちっさい奴だ


おまけ、この(自身の著作を改ざんした)ことがやっぱりSNS上で大いに沸いている。

追加 ところが菅のブログに同じ文章が載っている。(こちらは削除し忘れた?)
該当部分のテキストは こちら 

発言は金によって。

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上記のツイッター東京新聞が取材を申し込んだ。

返事は以下。


【つぶやき(ツイッター)の根拠などを問い合わせたが、橋下氏の事務所は「現在は一私人としての立場なので、無償でのインタビューには応じていない」と回答した】

 

毎日新聞の弁明

毎日新聞は、10月3日に東京・神宮前のレストラン「Eggs'n Things 原宿店」
で開かれた菅首相と首相番記者との懇談会にも出席した。
この時点で、既に首相がインタビューに応じることが決まっており、
説明を求める機会があると判断した。
懇談会は会費制で、各社の首相番記者約50人が出席、3社が欠席した。
 桜を見る会を巡る問題では、
毎日新聞は19年11月20日に東京・平河町の中国料理店で開かれた安倍前首相とのキャップ懇、
同年12月17日に東京・神田小川町の居酒屋で開かれた
首相番記者との懇談会をいずれも欠席した。
安倍前首相は記者会見などを一切開かず、公の場での取材に応じていなかったため、
出席するのは適切ではないと判断した。【政治部首相官邸キャップ・笈田直樹】

 

社会活動家の湯浅誠・東大特任教授
「頑張ろうとしている毎日新聞が今回、懇談に参加したのは非常に残念だ。
オフレコ懇談会への参加と記者会見での真摯な追及は両立するものではない。
参加しないで「記者会見の場で説明を求めるのが我が社のあり方だ」と言ってほしかった。
オフレコ懇談会は水面下でやっている。
何でも水面下で進める首相の姿勢を批判するためにもノコノコ行ってはダメだ。」

 

*上記湯浅教授のコメントは同一記事内にある。

彼の弁明

内閣記者会に常駐する各社の首相官邸取材キャップと菅義偉首相との懇談会が13日夜に都内のホテルであり、朝日新聞も出席しました。
会費制で、首相側から呼びかけられました。
首相に取材をする機会があれば、できる限り、その機会をとらえて取材を尽くすべきだと考えています。
対面して話し、直接質問を投げかけることで、そこから報じるべきものもあると考えるためです。
参加するかどうかはその都度、状況に応じて判断しています。

今月3日には、首相と内閣記者会に所属する記者との懇談会がありましたが、出席を見送りました。
日本学術会議をめぐる問題で当時、菅首相自身による説明がほとんどなされていなかったためです。
その後、首相から一定の説明はありましたが、朝日新聞は首相による記者会見の開催を求めています。
今後もあらゆる機会を生かし、権力を監視していく姿勢で臨みます。
 (政治部長・坂尻顕吾)

A 3日の首相と内閣記者会の懇談会は、 学術会議問題で、菅首相による説明がなされていなかったため欠席しました。

B その後、首相から一定の説明はありましたが、首相による記者会見の開催を求めています。

C 13日夜朝日新聞も出席しました。

AとBからなぜCの結論が出る?

Fact Check

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橋下徹ツイッター

「学者がよく口にするアメリカとイギリス。両国の学者団体には税金は投入されていないようだ。学問の自由や独立を叫ぶ前に、まずは金の面で自立しろ。年1500円ほどの会費で今の予算は確保できる。学士院の終身年金も時代にそぐわない。文科省は何をやってきた!前川喜平が次官になるようなダメダメ役所だ」

「ようだ」と少しぼかしているところが弁護士やね

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アメリカの「財務報告書(2017年)では「NASの活動の大部分は、米国政府との実費精算契約および補助金に基づいて行われています」と報告されている。2017年度では38%にあたる6830万ドル(日本円で約72億円)、2016年度では36%にあたる6700万ドル(日本円で約70億円)が政府との契約や補助金によるものであると報告書には記されている。

別途資料 「各国アカデミー等調査報告書」 には以下記載がある。

日本学術会議の予算は、全額、国費で成り立っている。これは比較的稀なケースである。
予算面で政府依存度の比較的低いアカデミーは、スウェーデン王立科学アカデミー(約 24%)、
米国社会科学研究会議(約 18%)、米国学術団体評議会(約 17%)であった 」

今日の言葉『匙は、その味を知らず』

『匙(さじ)は、その味を知らず』お釈迦さまのお言葉です。
匙は、物をすくったり、塗ったり、混ぜたり、食べるとき、計るとき、色々な場面で使われます。
熱いお茶に入れられたり、冷たいアイスクリームの中に刺されたりと、大活躍です。
しかし、匙には、熱いも冷たいも、美味しいも不味いも関係ありません。
匙は、何も知らず何も感じません。
(匙を「菅」と読み替えて)by佐高信